2008年 10月 23日
ED
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先日、ここに僕の1stカメラがワニさん仕様のOLYMPUS PEN EE-2だということを書いた。フィルムが高価だったあの時代、失敗が少なくて36枚撮りフィルムで72枚撮ることが出来るハーフサイズカメラは小学生に与えるのにぴったりのカメラだよなぁと親父の見識の高さを思う。
で、その当時(1975〜6年頃)親父はどんなカメラを使っていたか?正直なところほとんど記憶がないけれど、OLYMPUSの35mmフルサイズのレンジファインダーカメラだったことを微かに覚えていて、まだまだカラーフィルムの性能が低かったあの時代、フィルムサイズが半分の僕のEE-2とはプリントした時の美しさの違いが歴然だったことだけはハッキリと覚えている。
親父は何を使っていたのか?素朴な疑問を感じた僕は、OLYMPUSのサイトや最近手に入れた『オリンパスのすべて』という本で調べてみる。
35mmフルサイズ、レンジファインダー...たったそれだけの情報ですぐに答えが出た。
親父の使っていたカメラは、OLYMPUS 35シリーズ。セルフタイマーを使った記憶があるから35 ED(1974)だろうという結論に達した。EE-2のグッタペルカ(人工皮革)もワニ革に張り替えてあったけど、親父の35ED(?)もグッタペルカも渋い明るめのワインレッド...オリジナルは黒しかないはずなので、こちらも張り替えてあったのだろう。
僕にとって初めての実用カメラがEE-2だとすれば、時々触った35EDはちょっとだけ憧れのカメラ。今も流通してるのかな?とオークションを覗いてみたのだが...
えっ!?
OLYMPUS 35ED発見。しかも...グッタペルカが見覚えのあるワインレッドだ!
これ、もしかして、親父のカメラじゃないの?そんな思いすらするほど、まさに親父のカメラそのものなのだ。オリジナルのグレーのグッタペルカ張りのEE-2と2台セットで¥3000スタート...ワニさんEE-3を買ったばかりだということも忘れて、衝動的に入札してしまう。
中古市場で異常なほどの人気を誇るハーフサイズ一眼レフ・OLYMPUS PEN Fシリーズとは違い、特別な思い入れでもない限り需要がない35EDなので、ほとんど金額がアップすることなく僕の元へ。ただし、旧いカメラの常としてちゃんと動くかどうかは不明なのは当然のことだ。 photo:OLYMPUS 35 ED(1974)&PEN EE-2 original gutta-percha(1968)
(au W61CAにて撮影)
そんなわけで、今日届いた35EDとEE-2を箱から出して動作確認してみると.....EE-2は外観も超美品な上に全く問題なく動く。では目的の35EDは...まるで新品のように美しいけど、ん?シャッターが下りない!巻き上げも出来ないし、セルフタイマーのレバーがグラグラ(涙)あ。そうだそうだ、コイツは電子シャッターだから電池を入れないと動かないんだったってことを思い出し、電池ケースの蓋を開けてみると案の定、電池が入ってない。で、昼休みに35EDを持参してカメラ屋に行くと...
『お客さん、残念ですけどこのカメラは1.35V〜1.5Vの水銀電池で動くんですが、今はもう電池の生産が終わっちゃってまして...入手できないんですよ。』
へ?デンチ?終わっちゃってる?
『そうなんです。●●カメラってメーカーがLR44のアダプタを出してるんですが、確か3000円ぐらいして...結構高いんですよね。』
は?2台で数千円のカメラに3000円の電池っすか?
仕事場に戻った僕は空の電池ケースを眺めながら考える。アダプタがあるってことはLR44で動くってことだよなぁ。
LR44をハンダ付けするか?いやいや,電池交換が面倒だ。
電池が入る窪みを良く観察するとLR44(直径12mm×高さ5.5mm)よりも僅かに大きく深さが倍ぐらいなのでノギスを使って採寸してみると直径16mm×高さ11mm。
そうだ!自分でアダプターを作れば良いんだ!仕事帰りにホームセンターに立ち寄って素材探し。目的の素材をすぐに発見...石油用のホース内径12mm外径16mmというぴったりサイズ。自宅に戻り、早速ホースを正確に9mmに切ってLR44を2個入れて電池ケースに収める。う〜む、ぴったりだぁ。
でも、ここで大変なことに気付く。このカメラは1.5Vを直列で3Vを稼いでいるんだけど、LR44を2個入れた自作ホースアダプタを2個入れると1.5V×2×2=6Vになってしまうではないか!
電圧が倍になったら正確な露出が計測出来ないとか、最悪の場合回路に不具合が起きるとか...電気がからっきしダメな僕の電池自作計画もここまでか?
ここで、さきほどのハンダ付けのアイデアを思い出し、試しに身近な導電体=アルミホイルをくしゃくしゃっとLR442個分ぐらいの大きさに丸めて9mmのホースに入れ、指で整形してブランクの電池を作って,電池ケースの片側に入れてみる。もう一方にLR442個の電池を入れると、これで計算上は3Vになるはずだけどなぁ。電池ケースの蓋を閉じ、恐る恐るシャッターボタンを押してみると、突如ジジジジジと懐かしいセルフタイマーの音が響き始め...
カシャッ!
えっ?あっ!動いたぁ〜!どうやらセルフタイマーをセットし、シャッターチャージしたままで電池切れしてたようだ(そりゃ巻き上げも出来ないし、セルフタイマーが効いてるからシャッターも切れなくて当然のことだ)。今度はファインダーを覗いてシャッターを切る。おおっ!バッテリーチェック のオレンジランプが光った!このパイロットランプ、ファインダー上部だけではなく、軍艦部と前面もオレンジ色に点灯する!被写体の明るさを変えて試写してみるとシャッタースピードが変わるのがはっきり分かるし、このカメラは生きている!
やった!スバラシイ! 良く観察してみると、ファインダーは全く曇りがないクリアな状態だし、D.ZUIKO 38mm/F2.8レンズはルーペで丹念に見ても傷やコーティングのムラ、ホコリなどは全く見当たらず、の極上コンディションだ。わははは...イイ買い物をしたなぁと自己満足。
ま、無理矢理に電池を作ったり、シャッターが下りただけでこんなに嬉しいなんて、旧いカメラならではの愉しみなんだけどね。
で、その当時(1975〜6年頃)親父はどんなカメラを使っていたか?正直なところほとんど記憶がないけれど、OLYMPUSの35mmフルサイズのレンジファインダーカメラだったことを微かに覚えていて、まだまだカラーフィルムの性能が低かったあの時代、フィルムサイズが半分の僕のEE-2とはプリントした時の美しさの違いが歴然だったことだけはハッキリと覚えている。
親父は何を使っていたのか?素朴な疑問を感じた僕は、OLYMPUSのサイトや最近手に入れた『オリンパスのすべて』という本で調べてみる。
35mmフルサイズ、レンジファインダー...たったそれだけの情報ですぐに答えが出た。
親父の使っていたカメラは、OLYMPUS 35シリーズ。セルフタイマーを使った記憶があるから35 ED(1974)だろうという結論に達した。EE-2のグッタペルカ(人工皮革)もワニ革に張り替えてあったけど、親父の35ED(?)もグッタペルカも渋い明るめのワインレッド...オリジナルは黒しかないはずなので、こちらも張り替えてあったのだろう。
僕にとって初めての実用カメラがEE-2だとすれば、時々触った35EDはちょっとだけ憧れのカメラ。今も流通してるのかな?とオークションを覗いてみたのだが...
えっ!?
OLYMPUS 35ED発見。しかも...グッタペルカが見覚えのあるワインレッドだ!
これ、もしかして、親父のカメラじゃないの?そんな思いすらするほど、まさに親父のカメラそのものなのだ。オリジナルのグレーのグッタペルカ張りのEE-2と2台セットで¥3000スタート...ワニさんEE-3を買ったばかりだということも忘れて、衝動的に入札してしまう。
中古市場で異常なほどの人気を誇るハーフサイズ一眼レフ・OLYMPUS PEN Fシリーズとは違い、特別な思い入れでもない限り需要がない35EDなので、ほとんど金額がアップすることなく僕の元へ。ただし、旧いカメラの常としてちゃんと動くかどうかは不明なのは当然のことだ。
(au W61CAにて撮影)
そんなわけで、今日届いた35EDとEE-2を箱から出して動作確認してみると.....EE-2は外観も超美品な上に全く問題なく動く。では目的の35EDは...まるで新品のように美しいけど、ん?シャッターが下りない!巻き上げも出来ないし、セルフタイマーのレバーがグラグラ(涙)あ。そうだそうだ、コイツは電子シャッターだから電池を入れないと動かないんだったってことを思い出し、電池ケースの蓋を開けてみると案の定、電池が入ってない。で、昼休みに35EDを持参してカメラ屋に行くと...
『お客さん、残念ですけどこのカメラは1.35V〜1.5Vの水銀電池で動くんですが、今はもう電池の生産が終わっちゃってまして...入手できないんですよ。』
へ?デンチ?終わっちゃってる?
『そうなんです。●●カメラってメーカーがLR44のアダプタを出してるんですが、確か3000円ぐらいして...結構高いんですよね。』
は?2台で数千円のカメラに3000円の電池っすか?
仕事場に戻った僕は空の電池ケースを眺めながら考える。アダプタがあるってことはLR44で動くってことだよなぁ。
LR44をハンダ付けするか?いやいや,電池交換が面倒だ。
電池が入る窪みを良く観察するとLR44(直径12mm×高さ5.5mm)よりも僅かに大きく深さが倍ぐらいなのでノギスを使って採寸してみると直径16mm×高さ11mm。
そうだ!自分でアダプターを作れば良いんだ!仕事帰りにホームセンターに立ち寄って素材探し。目的の素材をすぐに発見...石油用のホース内径12mm外径16mmというぴったりサイズ。自宅に戻り、早速ホースを正確に9mmに切ってLR44を2個入れて電池ケースに収める。う〜む、ぴったりだぁ。
でも、ここで大変なことに気付く。このカメラは1.5Vを直列で3Vを稼いでいるんだけど、LR44を2個入れた自作ホースアダプタを2個入れると1.5V×2×2=6Vになってしまうではないか!
電圧が倍になったら正確な露出が計測出来ないとか、最悪の場合回路に不具合が起きるとか...電気がからっきしダメな僕の電池自作計画もここまでか?
ここで、さきほどのハンダ付けのアイデアを思い出し、試しに身近な導電体=アルミホイルをくしゃくしゃっとLR442個分ぐらいの大きさに丸めて9mmのホースに入れ、指で整形してブランクの電池を作って,電池ケースの片側に入れてみる。もう一方にLR442個の電池を入れると、これで計算上は3Vになるはずだけどなぁ。電池ケースの蓋を閉じ、恐る恐るシャッターボタンを押してみると、突如ジジジジジと懐かしいセルフタイマーの音が響き始め...
カシャッ!
えっ?あっ!動いたぁ〜!どうやらセルフタイマーをセットし、シャッターチャージしたままで電池切れしてたようだ(そりゃ巻き上げも出来ないし、セルフタイマーが効いてるからシャッターも切れなくて当然のことだ)。今度はファインダーを覗いてシャッターを切る。おおっ!バッテリーチェック のオレンジランプが光った!このパイロットランプ、ファインダー上部だけではなく、軍艦部と前面もオレンジ色に点灯する!被写体の明るさを変えて試写してみるとシャッタースピードが変わるのがはっきり分かるし、このカメラは生きている!
やった!スバラシイ!
ま、無理矢理に電池を作ったり、シャッターが下りただけでこんなに嬉しいなんて、旧いカメラならではの愉しみなんだけどね。
by papapaddleraki
| 2008-10-23 18:38
| -カメラ