2013年 06月 20日
Old Canoe Restoration ③
|
塗料のリムーバー“AQUA STRIP”が届くまでの間、引き続きアウトサイドの塗装を続ける。塗った直後はいい感じの飴色になるんだけど、完全に乾燥するとハルの傷や色ムラが目立つハル。クリアだけではそれらを消すことが難しいので、ほんの少しオークの着色剤を混ぜて少し渋めの色合いに仕上げることに。
今回使用している「WR-LPU」は硬化剤「CROSSLINKER」を添加するとそのままでは8時間後までしか塗り重ねが出来ないんだけど、光沢がなくなるまでサンディングすれば塗り重ね可能ということで、ランダムアクションサンダーの#240でキレイに艶を落とし、まさに水飴みたいな色になった「WR-LPU」を塗り重ねる。
うん、良い感じ。
カヌ−も女性も年をとっても素肌美人が一番♪なんて言ってたものの、やはりスッピンにファンデーション(クリア塗装)だけだと、ちょっとキツくて、若干のお化粧も必要なのかも(苦笑)
ハルのアウトサイド塗装がほぼ終わったところで、ステムバンドの製作開始。
ステムバンドはカヌ−の船首(ダブルエンド)を保護する金属製のバンパーみたいなパーツで、僕の愛艇・Old Town CAMPERなどのロイヤレックス製のフネのケブラー製スキッドプレートに相当する。ロイヤレックスやポリエチレンのフネはダウンリバーで岩などにヒットさせるなど少々の衝撃を受けても壊れることはないけれど、ウッドカヌ−はいとも簡単に壊れてしまうので、川で乗るならどうしても必要なパーツなのだ。
どちらかと云うと少しクラシックなフネに良く見られたステムバンド。バウ&スターンだけではなく、ボトム全体に取り付けるとこの僅かな突起がキールになって直進性が増すことだろうけど、あくまでもこのフネのフォルムはフラットボトムのリバーランナーなので、優れた回頭性(たぶん)に影響が出ない程度の長さに留めることにした。
まずは、ホームセンターで取り寄せた10x2x1000mmの真鍮板を糸鋸で縦に2枚にカットして、5mm幅の長さ1000mm x 厚さ2mmの板を2枚用意する。ヤスリでバリを取った後、4インチ間隔でポンチング。
ポンチ穴を目安にドリルでΦ2mmの取付用の穴を開けて、あとはハンマーでコツコツと叩きながら、バウ&スターンのカーブに合わせながらフリーハンドで曲げて、ステムバンドのパーツが完成する。
まずはマスキングテープで養生して、金属と木用の接着剤を使って接着。それと同時にビス留めし、接着剤の硬化を待って接合部をパテ埋めし、最後に塗装してステムバンドの完成だ。
ボトムとアウトサイドの塗装、そしてステムバンドが完成したところで、NJYから「AQUA STRIP」が届いたので、2つのシートを取り外して(*カヌ−の強度を損なわないようセンターヨークは外さない)インサイドの塗装剥がしの作業に取り掛かる。
「AQUA STRIP」はその名の通り、どんなに身持ちの堅い塗装ちゃんも魔術のように脱ぎ脱ぎしてスッポンポンにしてしまう塗装剥離剤。しかも下地の木やFRP、エポキシには影響を与えないし、水に溶けて、環境にも優しい...そんな魔法のケミカルなのだ(笑)。
正直なところ、どこまで効果があるのかと半信半疑だったんだけど、乾燥を防ぐ意味で推奨されている温度と湿度の高い雨の日(ただし屋根の下)を選び、コテで0.8mmの厚さを目安に塗って、30分もすると垂直のウォールでは「AQUA STRIP」のベージュのクリームと一緒になった分厚い塗料が自然と剥がれてくる。おおっ、すっげぇ!
どうやらFRPやエポキシには全く影響がなさそうなので、二度塗りして完全に塗料を落としている間に、シートの張り替え作業に取り掛かる。
元のシートはOld Town Canoesなどと同様のとても雰囲気の良いケインシートなんだけど、残念ながら経年劣化ですでに柔軟性を失い、硬くなって破れてしまっているので、カッターナイフで編込みの部分を切り取り、軽くサンディングした後、準備した20mの1インチ幅のナイロンテープ(コットンのような肌触りのもの。カヌ−のパーツは全てインチ単位なのでテープも2.5mmをチョイス)を使って編んで行く。
端を配線用のコの字型タッカーで留め、ペンチを使って引っぱってタッカーを打つ、ハサミでカットして切り口をライターで炙って解れ止めを施す...これをひたすら続け、横方向7列が完了。あとは編込みながら縦方向14列を固定し、シートのリペア完成だ。
シートをリペアしてる間に、ハルのインサイドの塗料剥がしが完了。ただ、軽くサンディングしてみたけど、ハルの黒ずみはニスの劣化ではなくファイバーグラスクロスの内側にあることが判明したので、残念だけどウォールをナチュラル仕上げすることを諦め、不透明の“砥の粉色”で塗装してごまかすことに(苦笑)
アウトサイドの濃色とインサイドの自然な木目のコントラストがカッコいいとは思ったんだけど、たぶんFRPクロスを除去するのは相当大変だし、フネの強度が大幅に落ちるのは避けたいと思うし...ま、We-no-nahカヌーのケブラーバージョンみたいで悪くないだろうし、境目をサンダーでボカしてやると、あまり違和感もなく仕上がってホッとひと安心。
あとはインサイドを「WR-LPU」で塗って、シートを取り付けると、僕の“Old Canoe Restoration”も完了。嬉しいような、寂しいような...(苦笑)
by papapaddleraki
| 2013-06-20 22:17
| -手づくり