2017年 07月 25日
正しい溺れ方
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水辺で遊ぶ僕らにとって、そして人の親である僕らにとって、子どもたちが水の事故で命を落とすのは本当に辛いこと。
そんな今日、鳥取・皆生海岸でライフセーバーをされている男性のFacebookの記事を目にして、様々なことを思ったので少し書いておきたいと思う。
まず感じたのは、このライフセーバーさんと同じく子どもの水の事故を防ぐために大切なのはP.F.D(Personal Floating Device)ではなく「目を離さないこと」だってこと。
常に隣にいる必要はなくて、視界の隅っこにいつも自分の子どもの姿を捉えている習慣を心掛けたら、水の事故の多くは防げるはずだと常々感じている(決してゼロにはならないけど)。
次に重要なのは"正しい溺れ方"を体験すること。
泳ぎが達者になる前の早いうち(2〜3才)に実際に溺れてみる(溺れさせてみる)ことも必要かと。柔道だって受け身から習うけど、"泳ぎ方"は教わっても"正しい溺れ方"を教えてもらうことがないのは片手落ちだと思うのだ。
不意に水を飲む、両脚が一度に攣る、水流に巻き込まれる...実際に溺れることで水の怖さを覚えるし、そういうアクシデントが起きた時に慌てず”何もしないで浮かんで待つ”ことを身体で覚えることが出来る。
そしてもう一つ、救助する側=陸から見守る人に知って欲しいのは、人が溺れる時ってどれほど静かで目立たないかってこと。
確かにP.F.Dは水難事故防止に役立つ。
でもP.F.Dは水上から水中へ不意に落水することで劇的に環境が変化するウォータースポーツだからこそ必要なのであって、水中でこれさえあれば安心という最近の風潮には同調しかねるのだ。
P.F.Dを身につけて泳いでみたら判るんだけど、全く楽しくない(苦笑)。水面を真っ直ぐ泳ぐだけならプールで充分。海や川で泳ぐ愉しみは自由自在に"潜る"ことにあるのに、P.F.Dで強制的に浮かばされて楽しめるはずがない。
大切なのは、今自分の前にある川や海がどれだけ危険なのかを状況判断し、使うか使わないかを自分で決めること。川ならアンダーカットロックの縦水流とか、海なら離岸流とか、実際に体験してその対処法を知ることじゃないのかなと思うのだ(知識ではなく体験で。何か得体の知れない化け物や霊に足を引っ張られてると感じるのか?それとも"あ、離岸流に乗っちゃったな!"と感じるのかで生死が分かれると思う。)。
その上で、P.F.Dを着けるかどうかを判断する。その判断が甘いと感じた時にのみリーダーなり保護者なりが具体的な理由を挙げてアドバイスする、あるいはディスカッションする。
そこで初めて子どもたちの"学び"が生まれる。(もちろん大人数のコマーシャルツアーや学校教育の現場でこんな丁寧な=まどろっこしいことは出来ないだろうし"まずはP.F.Dありき"もしょうがないから、環境が許せば父親or母親が家庭で教えるべきことだけど...)
個人的には「目を離さないこと」と「スローロープを常に持参すること」(もちろん狙い通り...25mのロープで誤差1m以下のポイントに落とせることが必要)で水難事故のほとんどが防げるのではないかと考えるんだけど。
『P.F.Dがないときは泳いではいけません』ってのは『泳ぎを覚えるまで水に入ってはいけません』と同じ。
これではいつになっても事故は無くならないのかなって思う。
大人になるためには確かに算数や英語も大切だけど、まず教えるべきなのは"自分の命を守る術"じゃないのかな。
不意に水を飲む、両脚が一度に攣る、水流に巻き込まれる...実際に溺れることで水の怖さを覚えるし、そういうアクシデントが起きた時に慌てず”何もしないで浮かんで待つ”ことを身体で覚えることが出来る。
そしてもう一つ、救助する側=陸から見守る人に知って欲しいのは、人が溺れる時ってどれほど静かで目立たないかってこと。
確かにP.F.Dは水難事故防止に役立つ。
でもP.F.Dは水上から水中へ不意に落水することで劇的に環境が変化するウォータースポーツだからこそ必要なのであって、水中でこれさえあれば安心という最近の風潮には同調しかねるのだ。
P.F.Dを身につけて泳いでみたら判るんだけど、全く楽しくない(苦笑)。水面を真っ直ぐ泳ぐだけならプールで充分。海や川で泳ぐ愉しみは自由自在に"潜る"ことにあるのに、P.F.Dで強制的に浮かばされて楽しめるはずがない。
大切なのは、今自分の前にある川や海がどれだけ危険なのかを状況判断し、使うか使わないかを自分で決めること。川ならアンダーカットロックの縦水流とか、海なら離岸流とか、実際に体験してその対処法を知ることじゃないのかなと思うのだ(知識ではなく体験で。何か得体の知れない化け物や霊に足を引っ張られてると感じるのか?それとも"あ、離岸流に乗っちゃったな!"と感じるのかで生死が分かれると思う。)。
その上で、P.F.Dを着けるかどうかを判断する。その判断が甘いと感じた時にのみリーダーなり保護者なりが具体的な理由を挙げてアドバイスする、あるいはディスカッションする。
そこで初めて子どもたちの"学び"が生まれる。(もちろん大人数のコマーシャルツアーや学校教育の現場でこんな丁寧な=まどろっこしいことは出来ないだろうし"まずはP.F.Dありき"もしょうがないから、環境が許せば父親or母親が家庭で教えるべきことだけど...)
個人的には「目を離さないこと」と「スローロープを常に持参すること」(もちろん狙い通り...25mのロープで誤差1m以下のポイントに落とせることが必要)で水難事故のほとんどが防げるのではないかと考えるんだけど。
『P.F.Dがないときは泳いではいけません』ってのは『泳ぎを覚えるまで水に入ってはいけません』と同じ。
これではいつになっても事故は無くならないのかなって思う。
大人になるためには確かに算数や英語も大切だけど、まず教えるべきなのは"自分の命を守る術"じゃないのかな。
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by papapaddleraki
| 2017-07-25 21:54
| -雑感