2017年 07月 17日
Beast operates a beest. : )
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仕事を早引きして、開催がアナウンスされて以来ずっと楽しみにしてたTheo Jansen展へ♪
入館するなりエントランスホールでTheo Jansenさんが自らの作品を前に生解説中。
へぇ〜、こんなに身近に?って驚きつつ、展覧会会場に入ると、様々なカタチをしたStrandbeest(オランダ語で"浜辺の生命体"を意味する。英語だとBeach Animalかな?)が所狭しと展示されている。
全ての作品にOFF LIMITSのラインがなく、撮影も全面可能なオープンな雰囲気。実際に触って動かすことが出来るbeestも多く(ともちゃん、子供みたいに大喜び!まさに"Beast operates a beest. : )")、展示のみの作品もオランダ・スケベニンゲンのビーチの砂が付着してたりして迫力がある。
それより何よりビーサン履いたTheoさんがその辺を当たり前のようにぶらぶら歩いてて、“Try it, gentleman?”ってbeestを試させてくれたりして...生みの親自ら解説してもらえるなんて思ってもみなかっただけに感激もひとしお。(*Theoさんはオランダの漁師町出身ゆえに海が好きってことで、今日もヨットハーバーから津ボートまで浜辺を歩いて往復し、海の家でアイスを食べたんだとか...笑)
扱いに慣れないゲストが無理に動かして壊れると、Theoさんが横で治してたりするのが可笑しい。
この展覧会を観る前、僕はStrandbeestは帆で風の力を受けて歩くだけの「ロボット」だと思っていたけど、実際には帆をたなびかせることでピストンを動かして風を”食べ”(圧縮空気を溜め込み)、その力で歩いたり、水面を感知して後ずさりしたり、風向きに合わせて方向転換をしたり...実際に限りなくプリミティヴな脳と神経と筋肉、そしてその組み合せによって"意思"の原型のようなものを持つ「生命体」なのだという。
閉館後の17:30からは地下の講堂でTheoさんの講演会スタート(並ぶのが大の苦手な僕が長時間並んで145人限定の講演会のチケットを3番目でゲット!)。最前列中央に座った僕が最初に気になったのは僕のとおソロなRIMOWAのスーツケース(笑)
そのRIMOWAから出て来たのはStrand beeatの“感覚器官”のパーツの数々で、3人のウソつき(3 liars)の理論で3つのエアシリンダーの組合せによって海に触れた途端、後退りして自分の身を守ることが出来る、という機能の説明。
"生存本能"を持つゆえに無機物で出来てはいても生命体と呼べるのだという証明をいとも簡単にやってのけるTheoさんはスゴい!
物理の大学に進み、画家になり、UFOを作って飛ばしたら、それがオランダ全土で大ニュースになって...注目されることがクセになって、アムステルダムの地方紙のコラムを書くようになって、そこで何気なく書いたBeest作りに進むことになったのだとか。
そして今、再び物理学の世界に戻りつつある不思議。
Beeatたちは生殖は出来ないけれど、Theoさんがネットで公開しているBeestの作り方を真似て世界中で作られるようになって、いわば"増殖"している。自ら増え、進化し続けることが生命の定義だとすれば、このプラスティックのパイプで出来たBeestたちも生命を有することになるんじゃないのか?なんて思ったり。
講演会の後はサイン会。
僕がTheoさんにサインを貰ったのはAnimaris Rigide Properansをモデルにスケールダウンした"ミニビースト"のキットモデル...のプロペラ。こんなちっちゃなのにサインを頼むヤツも相当だけど、ちゃんと細字のマーカーに持ち替えて書けるだけ書いてくれるアーティストも相当なもんだな(笑)
ともちゃんは図録に。
作品があまりに素晴らしかったので、チューしようかと思った...らしい(爆)
英語喋れないのに日本語オンリーでナンダカンダと話して、妙に理解し合えてる彼女とTheoさん(苦笑)
そう言えばこの人、昔っからこんな感じで言葉の壁を軽々と越えちゃう人だったっけ(笑)
講演会の後はそのまま美術館併設のミュゼボンヴィヴァンで夕食。
美味しいお料理にゴキゲンでワインお代わりしまくるともちゃん(涙)
結局、13:00から6時間半も三重県立美術館で過ごした僕ら。その間、Theoさんはほとんど会場に居てお客さんの相手をしてた。恐るべきエネルギッシュさに脱毛...じゃなく脱帽!
by papapaddleraki
| 2017-07-17 20:20
| -おでかけ