2016年 10月 16日
最安値という悪魔
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田舎暮らしなのでお店の営業時間は短いし、品揃えは決して良いとは言えないことが多いけれど、自分自身も地元に密着した商売を営んでいる以上これだけは譲れないポリシーみたいなものだとさえ思っている。
ただ、休日が少なく、夫婦揃って休日にショッピングってことが出来ない僕らなので、お店に足を運ぶ機会に恵まれずについつい通販を使うことも多く、外国資本のAmazonで買い物をすることもしばしばだけど。
僕が若い頃は田舎に住む僕が最安値がどれほどなのかを知ることは難しく、また配送方法が今ほどは選べなかったので、例えば電化製品を安く買うには東京の秋葉原や大阪の日本橋に足を運んで電気屋街を1軒1軒見て歩く必要があった(高校の入学祝のステレオセットは、オーディオに詳しい友達のコバにアドバイスしてもらいながら日本橋に足繁く通って買ったっけ...笑)けど、インターネット時代の到来とともに、即座に最安値のショップを検索出来る時代になった。
そんな時代だからこそ、なるべく地元のお店で!...とは思うのだけれど、ここ最近の価格差は常軌を逸していて、実利と良心の狭間で大きく揺れる男心なのだ。
今回、スタッドレス用Audi純正の20インチホイールをヤフオクで落とし、いつもお世話になっているGSさんにタイヤを手配してもらおうとしたところから苦悩は始まった。
軽自動車が17インチを履くような...大口径化、高扁平率化してる時代なので、20インチホイールに合うタイヤはナンボでも選べるものだと高を括っていたんだけど、実際には選択肢が多いのは19インチまでで、Audi ARQの外径712mmの245/40 R20と255/40 R20はBRIDGSTONE BLIZZAKとPIRELLI WINTER 240 SOTTOZERO SERIE IIの2種類のみ。
本来はAudi純正オプションのPIRELLIがジャストフィットだけど、去年T5 Californiaで使ってみてとても走りやすかったBLIZZAKにしようとカタログを開いてビックリ。
¥83,700 x 4本=¥334,800
へっ、サンジュウサンマンエン!?
直後にGSさんから電話があって、見積りしてもらうと...
¥78,900 x 4本=¥315,600
5%引きかぁ...。
インチダウンしなかったことを後悔しても後の祭り。参考までに、と価格.comを覗いてみると...
¥41,590 x 4本=¥166,360(*送料¥3,200)
う〜む。ほぼ半額って...。
ま、夏タイヤとの交換は自分でやるにしても、ホイールへの組み付けも必要だし、20インチともなるとどこでも出来るわけじゃないだろうしってことで、うちの事務員さんの知合いに尋ねてみると、『全然OKですよ〜♪何だったらネット通販の時に送り先をウチにしてもらえば運ぶ手間もないし、ホイールを持ち込んでもらって一時間ほど待ってもらえれば大丈夫。何だったら時期も時期だし夏タイヤと交換しちゃいます?』...と、他所で買って手間だけお願いするなんて失礼だよなぁって罪悪感が吹き飛ぶような極めてドライでお気楽なお返事。
実利と良心の狭間で大きく揺れる男心。本来、お買い物は自分にとって価格なりの価値があるかどうかが唯一の判断基準のはず。他人にとっては¥100でも要らないモノでも、僕には¥1,000,000出しても欲しいものがあるわけで。
1本¥83,700のスタッドレスタイヤがその価格に見合うベネフィットを生み出してくれると思えば、他で安く売られていても全く気にならない質(たち)で、実際にFeathercraftを手に入れるために70万円払うのはリーズナブルだったと思うんだけど、正直2年もしたら買い換えないといけないタイヤだと¥41,590ですら高いと感じてるわけだし...一生モノだったら敢えて地元で買うという選択肢もあるけれど、買った時の価値よりもランニングコストを重視して良いよね?オレってケチかな?卑しいニンゲンかな?これって最安値って悪魔に魂を売り渡したことになるのかな?ねぇ、こんなオレを軽蔑しない?
ともちゃんに何度も同意を求めても、タイヤの値段なんて全然知らないし興味のない彼女はニコニコ笑ってるだけ。
何となく後味の悪さを残しつつ、GSさんには正直に事情を話してお断りして...お買い物って本来は楽しいもののはずなのに、どうしてこんなに辛い気持ちにならないといけないんだろ?と、この国の流通システムの歪さを嘆く一日。
お願いだから、せめて5割増しぐらいにして下さい。そしたら迷わず"顔の見える"地元のお店で買うからさぁ。
by papapaddleraki
| 2016-10-16 10:13
| -雑感