2016年 09月 07日
Querido Sr.Ladrón(親愛なる強盗さま)
|
MLCは”機内持ち込み最大”の名の通り、飛行機での旅に特化したバッグで、欧米ではこのバッグ一個でいかに効率的にパッキングして、いかに長く旅に出るかを競い合うサイトまであるほど(!)で、元・バックパッカーの僕は強く惹かれたんだけど、残念ながら今の僕は”最大限”が必要な荷物がないし、“最大限”ゆえに係員さんの気分次第ではじかれる可能性もあるし(苦笑)
で、選んだ方のArbor Pack 26L。
フラップと本体の外側にジッパー付きの小さなポケットがあり、本体内側にFREITAGに入れたMacBook Airにちょうど良いラップトップPC用スリーブがある以外、本体は1気室のシンプルな造り。
若い頃はポケットがいっぱいあるオーガナイザ的なバッグが好みだったけど、年をとって”探し物は何ですか?”なことが多くなった僕には、こちらの方が合ってるような...(苦笑)
iPhone&MacBook Airと、バッテリーと、スリッパと、コンタクトレンズのセットと、メガネと、文庫本と、耳栓と、ブランケット代わりにもなるSierra Designsの60/40パーカのショートを収めてなお、右のスリングバッグAtomが余裕で収まるサイズ。
ただ、Arbor Packはメインの気室が軽量&シンプルなザックに良くある巾着式(Drawstring)ゆえ、彼の国のスリの皆さまにとっては格好のカモになりやすそう。
古い話で恐縮だけど、僕がスペインを旅した30年前はどうやら今よりもずっと“危険がアブナイ”状態だったようで、ナイフをかざして“マネー、マネー”な一般的な手口の強盗はもちろん、昏睡強盗、首締め強盗など様々な強盗、地下鉄での団体フォーメーションスリ、ケチャップスリ、物乞いスリなどのスリ...よくもまぁそんなに手口を考えるなぁって呆れるほど様々な物盗りが横行していた。
実際、僕自身もマドリーに着いた夜、電話局の裏手でナイフ強盗に遭ったし(言葉が出来た&ホントに強盗よりお金を持ってなかったので無事だったけど...笑)、道ばたで朦朧としたまま倒れてる日本人を2度も大使館まで送り届けたし、エスカレーターの目の前でザックをナイフで切られて中身を盗られてるのを目撃したし、子供の物乞いスリを取っ捕まえて返させたこともあった(あれはローマだったっけ)。
そんな感じで経験だけは豊富だけど(苦笑)、あくまでそれは30年前の話。
あの時は汚らしいヒゲもじゃで浮浪者寸前のバックパッカーの風体だったし、何ヶ月か彷徨ってた故にその土地の空気感をある程度敏感に感じられてたから危険を回避出来たのであって、平和ボケの50歳の今はあの頃の怖いもの知らずの僕ではない。周囲を怖い目で睨んでるだけじゃ危ない目に遭う可能性もあるので、可能な限りの準備を。
スーツケースだったら問題ないけど、この手の布製バッグ、特に巾着式に抑止力を与えるのはなかなか難しいもの。色々と頭をひねって思いついたのは...
①こんな風に開口部をフラップで覆うので、割と手を入れづらいだろうけど...
②フラップのバックルを外すとドローコードで簡単アクセス、つまり簡単にスリが可能。
③で、僕が思いついたアイデアは、ドローコードを丸ごとワイヤーロックに交換すること!
④ワイヤーは滑りが良いので、ドローコードよりサッと開閉出来る。ワイヤーの先端がスリーブに入ってしまわないよう、久々に針と糸でチクチク縫って固定してみた♪
ジッパーに鍵を付けても、“ポテチ開け”で開けられちゃうんだし、巾着式+ワイヤーロックのこのやり方の方が安全かもしれないけど、実際のところナイフが入ったらどんな方法でもアウトなので、あくまで“気を付けてるよ”って姿勢をアピールするため。確かに鍵なんか付けたら逆に貴重品が入ってるってアピールすることになるって人も居るけど、少なくとも今より危険だった30年前、鍵を付けてて...吊り下げてるだけでもスリに遭った人は居なかったし、ということで。
昏睡強盗が続発した時(大使館まで送ってあげた日本人から、怪しい人と一緒に飲みに行ったりしなくてもクスリを入れられたって話を聞いて...)、僕はバッグの内側にこんな文章を書いていた。もちろん一度も強盗さんに読んで貰うことはなかったけれど(笑)
Querido Sr.Ladrón 親愛なる強盗さま
Soy un estudiante pobre.
私は貧乏な学生です。
Este bolso tiene mi pasaporte y poco dinero para usted.
このバッグには、パスポートとあなたのための少しのお金があります。
El pasaporte es muy importante para mí.
パスポートは私にとってメチャ大切なものです。
Por favor déjelo aquí.
是非、ここにそれを置いて行って下さい。
Si concede mi deseo, agradezco su suavidad.
もし、あなたが私の望みを叶えて下さるならば、あなたの優しさに感謝します。
Usted está siempre en mi pensamiento.
いつもあなたのことを思っています。
muchos besos.
愛を込めてたくさんのキスを
Aquijico アキヒコ
by papapaddleraki
| 2016-09-07 23:52
| -日常