2013年 11月 27日
Tiny rocket Lift-off!
|
ロケットストーブはDr. Larry Winiarskiが1980年に開発を始め、2年後の1982年に原理が確立したストーブの総称。これまでのストーブとの構造の違いを簡単に言えば燃焼室と煙突を断熱するというアイデアで、高温燃焼で完全燃焼に近く、煙が少ないということ。しかも断熱を行うために、比較的安全というオマケ付き(苦笑)
ただ、そんな画期的で新しい技術にもかかわらず、構造はとても単純で決まりごとも驚くほど少ない。
■燃料は比較的細いものを用い、先端(入口側ではなく奥側)から燃やす。
■燃焼室の上部に直径の2~3倍の高さの煙突を作る。
■燃焼室の炎をできるだけ熱く保つため燃焼室と煙突は可能な限り断熱する。
■空気を供給をスムーズにする。
■余分な空気が燃焼ガスを冷却してしまうので加給やニ次空気の供給は必要ない。
歴史の浅い理論なので、まだ製品化はされていないものの、個人的に自作されることは多く、そのスタイルは、大きく分けて断熱した燃焼煙突に続く排気煙突から熱をとる室内暖房用と、燃焼煙突だけの野外調理用(コンロ)の2種類がある。
ま、調べものはこれぐらいにして、まずは取りあえず試してみようってことで、行きつけのSHELLのGSでオイルのペール缶を2個もらって、ホームセンターで部材を調達。
①HONMA製煙突(直径106mm、ステンレス製)
半直筒×1 エビ曲×1 T曲×1
パーライト(土壌改良材)50L
M5x15mmボルト、ナット、ワッシャーx3
耐熱ペイント(600℃)
工具は金切鋏、電動ドリル、ドライバーなど全て自宅にあるものを使用することにする。まずはペール缶のふたを取って、中に残るオイルを拭って洗う。
②煙突を厚紙に写し取って切り抜き、ペール缶に当ててマジックで型取り。
③ドリルで穴を開け、金切りハサミでザクザク切って穴あけ。
⑤もう一個のペール缶の底を切り抜いて、重ねて煙突の高さと位置合わせ
⑥2つのペール缶の繋ぎ目にドリルで5mmの穴を開けてビス留め。
⑧先ほど切り抜いた底の中心に②と同じ要領で穴を開けて天板を作る。
⑨耐熱塗料でシュッシュ♪
ここまで製作30分、塗装10分の合計40分ほどでロケットストーブ完成!
燃料は新聞紙一枚とヒノキの30mm角x30cm角材を3本。これは薪ストーブの焚き付けとして準備しているもので、火付きが良いように鉈で半割りにする。薪の使用量をチェックしたいので3本のみでということにして、焚き口に新聞ボールを入れて点火し、火がボール全体に回ったところでヒノキを焚き口に無造作に放り込む。着火から3分後、断熱した煙突(ヒートライザーと呼ぶ)の先端から勢い良く炎(火柱)が立ち昇る。
焚き口から覗くと、炎が真横にストーブ中心に向って流れていて、焚き口から火の粉はもちろん煙すら上がることもない。たったこれだけの長さなのに、"引き"は凄まじく、手をかざしてもそれほど熱くないのが不思議な感覚だ。
取りあえずのつもりだったので、水量をちゃんと計らずに始めてしまったことを後悔しながら時間を計っていると4:20で沸騰し始める。ヒノキ3本であっと言う間にグラグラお湯が沸く...しかも我が家のどのバーナーより早く!
しかも、本体はほんのり温かいぐらいなので、手で触れてもノープロブレム。このロケットストーブの評判は以前から知ってたけど、正直、あまり期待してなかったにも関わらず、ここまで使えるとは!
しかも製作の難易度は小学生の工作レベルだし、製作に要する時間は30分(塗装を含めて40分)もあれば余裕。着火時に焚き付けの新聞紙の灰が少し舞い上がるぐらいで、燃焼が始まると火の粉はほとんど飛ばないし、煙も少ないので屋内はともかく庭先なら使うことも可能。
熱が五徳に集中するのでヒノキの焚き付け3本で家庭用ガスコンロをはるかに上回る火力を得ることが出来る...災害時の炊き出しなどでは大活躍することだろうな。
by papapaddleraki
| 2013-11-27 20:39
| -手づくり