2013年 11月 09日
キツツキと雨 ★★★★☆
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役所広司演じる木こり・克彦と小栗旬の若い映画監督・幸一が心を通わせるハートフルコメディ。
映画の撮影を題材に劇中劇に仕立てた映画って、昔々お正月の深夜映画で観たF.Truffaut監督の「La Nuit américaine」を思わせるけど、この映画の舞台は木曽の長閑な山村。
ストーリーは、林業しかないそんな山村にある日ゾンビ映画の撮影隊がやってくるところから始まる。スタックした撮影隊を助けたことをきっかけに何故か撮影を手伝い、ゾンビの役まで引き受けることになった初老の木こりの克彦と、撮影現場から逃げ出しそうになるほどに気弱な新人映画監督は、噛み合ない触れ合いの中でお互いの生き方を変化させていく...簡単に言えば、そんな映画。
実はタイムリーにも森林組合でチェーンソーを買った日、ともちゃんが昼間に観て超おススメとのこと。彼女がこんなに気に入って僕に是非観るように勧めて来るなんて珍しいので、2回目の放映を観始めたけど...この放映時間が水曜日の23:00からってことで、4:00起床で大井川往復&川下りした後にビール飲みつつソファでゴロ寝しながらだったもんだから、さすがに途中で落ちてしまい...(笑)
最近の劇場公開される邦画ってストーリーが判ってる小説の映画化だったり、洋画のリメイクだったり、妙にCGを多用した“疲れる”ドンパチものだったりして、あまり観たいと思わなかったんだけど、久々に観た“正しい邦画”って感じ。
木曽の山奥の村に舞台を置くことで、旧い価値観の父親世代を多少デフォルメしながらも、上手く名優・役所広司に演じさせ、父親、あるいはその代わりとなる立場の大人が若者を独り立ちさせることの大切さ、そんでもって育てられる立場の若者が父親世代の旧い価値観に新風をもたらし、いわゆるwin&winの関係...ともに変化というか成長をしてくことの大切さみたいなものに気付かされる映画だったように思う。
ま、そういう深読みをしなくても、"木曽の山村でゾンビ映画を撮影する"という設定のバカバカしさにクスクス笑いながら観るだけでも充分に楽しめる映画なんだけどね。
ちなみにこの映画のロケ地は、先月僕らが2回も行った中津川や木曽。
ともちゃんは映画の冒頭に映し出された背景の山並みと軽トラの岐阜ナンバーだけで、あっ、付知峡!って判ったそうです。それはスゲェ!
*早速Amazonでこの映画のDVDと沖田監督の本「キツツキと雨 ユートピアを探して」(角川書店)をポチっ!★★★★以上の作品はDVDを買うことにしてます。本は映画の中の撮影隊のロケハンのストーリー(つまり架空)らしく、ゾンビ映画の脚本も載ってるらしいので(笑)
by papapaddleraki
| 2013-11-09 23:40
| -映画