2013年 07月 20日
nano.tracker ③(テストショット編)
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毎晩のように薄い雲が掛かって星空観察には今イチのコンディションが続くのでコンパクト赤道儀・nano.trackerのテストが出来ない今日この頃(涙)。そこで星座や星雲の観測は諦めて、日に日に明るさを増しているお月さまでテストを敢行することにする。
本来、nano.trackerは広角〜標準レンズでの使用を前提に設計されていて、望遠...特に超望遠レンズで星を追尾するだけの精度は持ち合わせていない。ただ、今回は精度チェックが目的なので、敢えて800mm+1.4xテレコン(35mm換算2,250mm)で追いかけてみることに(重量バランスを考慮して軽量のオモチャレンズ・Kenko M800mm F8 DX Mirrorを使用)。
まずはロフトデッキのピクニックテーブルにミニ三脚・SLIK Mini-pro 6に35°アングルプレート・BORG 35IIをセットし、そこにnano.trackerを取付ける。nano.trackerにOM-Dを取り付ける雲台は、最初手持ちの自由雲台を想定していたんだけど、OLYMPUS OM-D+Kenko M800mm F8 DX Mirror+Optical(x1.4) teleconverter(=2,240mm)の組合せは軽いミラーレンズとは言えそれなりに重量があって微妙な調整が難しいので、SLIKのグリップ式自由雲台・AF2100を使用する。
AF2100にOM-Dを載せ、BORG 35IIの水平面に両面テープで貼り付けたレベラー(気泡式水準器)で水平を採り*1、SUUNTOのコンパスM-9で磁北を合わせて真北(nano.tracker本体を真南)*2 に向けてnano.trackerの極軸合わせは完了。
*1
BORG 35IIは予め三重のN34°43′とほぼ同じ35°の仰角が付いているので、水平を合わせるだけでOK
*2
極軸合わせの際、磁北=地球磁場の北と自転軸の真北は同一でない事に注意が必要。三重では磁北が天の北極から6.75°西にズレているので、コンパスの補助指標を予め西に約7°動かしておき、方位磁針のN極がこの指標を指すように三脚を設置する。
nano.trackerの電源をONにすると緑のパイロットランプが点滅。電源上部のスイッチは左が速度切替(追尾=x1.0/星景写真=x0.5)で、右が南半球(S)ー北半球(N)切替スイッチとなる。
右側の北半球ー南半球の切替スイッチは追尾モード切替スイッチを兼ねていて...
■Nで北半球、Sで南半球モード。
■N→Sとした後に2秒以内にS→Nとスイッチを戻し追尾モード切替
切替は操作を繰り返す毎に「①恒星追尾」(デフォ)→「②月追尾」→「③太陽追尾」→「④恒星追尾×50倍速」となり、そのモードはパイロットランプの明滅で表示される仕組み。
①「恒星追尾」1回点滅:・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
②「月追尾」 2回点滅:・-・・-・・-・・-・・-・・-・・-
③「太陽追尾」3回点滅:-・・・-・・・-・・・-・・・-・・・
④「恒星追尾×50倍速」常時点灯
今回はお月さまを追尾したいので②を選択。モーターを5分ほど慣らし運転した後、カメラのアクセサリーシューに取付けたドットサイト(照準器)の赤い点を対象の星(今日は月)に合わせる(*500mm+telex1.4=35mm換算2,240mm)単焦点で月をフレーミングするのは結構大変なので...笑)。
撮影前にもう一度極軸が合っているかを確認し、動画撮影でテスト。
おおっ!赤道儀を使わなければあっと言う間に左(東)から右(西)へと移動しフレームから外れてしまうお月さまがファインダーの中央でピタッと静止している!追尾に成功!
nano.trackerの想定していない2,240mmの超望遠という環境でこれだけ止まれば、広角〜標準レンズでの星空撮影で星雲や星座もキレイに写るのは間違いなしなのだ。
(*ただ、水平や方角を相当シビアにチェックして極軸合わせをきっちりやらないと若干の動きが出てしまうので、やはり望遠レンズではなく広角〜標準レンズでの使用をおススメします...笑)
コンパクト赤道儀・nano.trackerのテスト&トレーニングはこれにて終了。自由雲台の剛性に制限があってSIGMAの超望遠を載っけることが出来なくて、貰いモノのKenkoミラーレンズなので、お月さまのスッピンポートレートはこのぐらい↑が限度(苦笑)
今秋のISON彗星が美しく大きな尾をなびかせることを願って、とりあえずは最低限の機材が揃いました。
by papapaddleraki
| 2013-07-20 22:42
| -カメラ