2011年 12月 25日
ネコを押しのけて。
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名古屋に住むMasaから雪の便り。名古屋駅前も夕方から雪が積もり始め、家では数年に一度しかないような雪景色が見られているらしい。三重県も雪こそ降らないまでも、日没とともに気温がぐんぐん下がって、このLOGBOOKを書いている現在の気温は3.3℃。時折、ログハウスを揺らすような猛烈な季節風が地鳴りのような音を響かせている。
クリスマス寒波の到来で、いよいよ冬本番。
現在、我が家の室温は24.4℃、夕方放り込んだ2本の薪がその形を崩して熾き火に変わろうとするタイミング。バイパスダンパーのレバーを水平にして、サイドローディングドア(左側の投入口)を開け、ログラックから少し太めのクヌギ(2年もの)を青い炎を噴出しながらオレンジ色に輝く2本の上に載せる。パチパチッ、一瞬だけ爆ぜる音がして火花が飛び、間もなく熾き火が載せた薪に燃え移り、オレンジ色の炎がパッと上がる。 この薪ストーブ・DUTCHWEST FEDERAL CONVECTION HEATER FA225の出力は最大で8,800kcal。実は一般的な小型石油ストーブ(Araddin Blue frame)の2.68kW/h(2305kcal)4台程度の熱量でしかない。しかもこのストーブに薪を目一杯詰め込むことは稀で、普段は火室の1/3程度しか入れていない。つまり我が家の暖房は石油ストーブ一台程度...それなのにこれ一台で我が家の屋内部分128㎡(カヌー倉庫、サンルームを除く)を常に快適な温度に保ち続け、火が落ちた後も24時間程度は室温が20℃以下になることはない。
薪ストーブを焚き始めた頃は、まるでMagic!だと感じたりもしたけれど、魔法でもなんでもなく燃焼効率75%超の高効率なストーブの性能とペアガラスの断熱性、そして無垢材110mm厚の壁の蓄熱性の成せるわざなのだ。
もちろん、その優しい暖かさや揺らめく炎の美しさという美点だけではなく、薪ストーブにも幾つかの欠点はある。一番の欠点は燃料の供給の困難さ。現代の日本において、常に2年先に必要な量の薪を常に備蓄しておくことは、それなりの工夫と努力を必要とする。
そして2つ目の欠点は基本的にON-OFFが出来ず、石油ストーブやエアコンのようにスイッチポンですぐに暖まるわけではないこと...これは家族の在宅時間が短い家庭には致命的な欠点だろう。
ただ、ON-OFFが出来ないってことの裏を返せば、部屋が冷めづらいということ。薪の投入を止めて、空気を絞ると薪ストーブは徐々に放出する熱を下げていく。でも、完全に火が落ちてキャストアイアンのボディが冷めるまで6時間から8時間を要する。このタイムラグこそが薪ストーブの“優しさ”の秘密だったりもしるわけで、一日に3〜4回、薪ストーブを覗いて薪を投入する誰かが居る家庭であれば、お出掛けして帰って来ても部屋が冷え切っているということがなく、とても快適だったりもする。
ただ、薪ストーブのふんわりした円やかな暖かさを体験すると、そういう長所や短所をアレコレ挙げるのがバカバカしくなる。理屈ではなく感覚で味わうのが、薪ストーブの正しい味わい方なんじゃないのかな?
13年目を迎えたキャストアイアンの箱の前にネコを押しのけて座って、僕はしみじみと思う。
クリスマス寒波の到来で、いよいよ冬本番。
現在、我が家の室温は24.4℃、夕方放り込んだ2本の薪がその形を崩して熾き火に変わろうとするタイミング。バイパスダンパーのレバーを水平にして、サイドローディングドア(左側の投入口)を開け、ログラックから少し太めのクヌギ(2年もの)を青い炎を噴出しながらオレンジ色に輝く2本の上に載せる。パチパチッ、一瞬だけ爆ぜる音がして火花が飛び、間もなく熾き火が載せた薪に燃え移り、オレンジ色の炎がパッと上がる。
薪ストーブを焚き始めた頃は、まるでMagic!だと感じたりもしたけれど、魔法でもなんでもなく燃焼効率75%超の高効率なストーブの性能とペアガラスの断熱性、そして無垢材110mm厚の壁の蓄熱性の成せるわざなのだ。
もちろん、その優しい暖かさや揺らめく炎の美しさという美点だけではなく、薪ストーブにも幾つかの欠点はある。一番の欠点は燃料の供給の困難さ。現代の日本において、常に2年先に必要な量の薪を常に備蓄しておくことは、それなりの工夫と努力を必要とする。
そして2つ目の欠点は基本的にON-OFFが出来ず、石油ストーブやエアコンのようにスイッチポンですぐに暖まるわけではないこと...これは家族の在宅時間が短い家庭には致命的な欠点だろう。
ただ、ON-OFFが出来ないってことの裏を返せば、部屋が冷めづらいということ。薪の投入を止めて、空気を絞ると薪ストーブは徐々に放出する熱を下げていく。でも、完全に火が落ちてキャストアイアンのボディが冷めるまで6時間から8時間を要する。このタイムラグこそが薪ストーブの“優しさ”の秘密だったりもしるわけで、一日に3〜4回、薪ストーブを覗いて薪を投入する誰かが居る家庭であれば、お出掛けして帰って来ても部屋が冷え切っているということがなく、とても快適だったりもする。
ただ、薪ストーブのふんわりした円やかな暖かさを体験すると、そういう長所や短所をアレコレ挙げるのがバカバカしくなる。理屈ではなく感覚で味わうのが、薪ストーブの正しい味わい方なんじゃないのかな?
13年目を迎えたキャストアイアンの箱の前にネコを押しのけて座って、僕はしみじみと思う。
by papapaddleraki
| 2011-12-25 23:39
| -薪ストーブ