2010年 08月 21日
フィッシュストーリー ★★★☆☆
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「フィッシュストーリー」つまり“ホラ話”というだけあって、1975年の売れないロックバンドの曲が2012年の巨大彗星の衝突による地球滅亡を救う...映画の方は大まかに言えばそういう話なんだけども、ともちゃんによれば“パズルを頭の中で組み立てていく感覚”。伏線に次ぐ伏線であぁそうだったのか!だらけの展開はまさに伊坂ワールドの真骨頂だ。
ただ、小説:肉体系高校教師→映画:フェリーに乗組むパティシェ(森山未来)、小説:大人のエンジニア→映画:天才理数系女子高生(多部未華子)などの設定の変更も全く違和感がなく、また1975年、1982年、2009年、2012年それぞれの時代がとても丁寧に描かれていたにもかかわらず、その4つの時代を一気に繋げたラストシーンのインパクトが少々不足してた気がするのが映画化のマイナスポイントでちょっと残念なのかな...。
無名の人々のちょっとした勇気が運命の歯車を狂わせ、世界の終末すら変えてしまう...敢えてこの小説で作者が伝えたかったことを書くとこういうことになるんだろうけども、設定やストーリーは各所で改変しつつも、伊坂作品のウリである軽妙で生き生きとした会話は一語一句原作に忠実にすることで、世界の終末という絶望的なシーンすら決して重くなりすぎずに原作の雰囲気を上手く出しているような気がするけどね。
by papapaddleraki
| 2010-08-21 11:29
| -映画